凱風舎
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レイジィ大石君

2014/12/01~2014/12/07

2014/12/01(月)
18:30仕事終わり。
何と無く、精神的に落ちていて、何もする気がおきない。
録画していたボクシングを見るとも無く見る。

2014/12/02(火)
2014/12/03(水)
精神的な落ち込みが続いていて、無闇にビールを飲んだりして体調を崩す。

2014/12/04(木)
18:15仕事終わり
「早熟のアイオワ」(2008年米、ロリ・ペティ監督)。DVD。
若き日のジェニファー・ローレンスやクロエ・グレース・モレッツ(今でも十分若い)が出ていると言う売りで、今年の初めごろにシネマカリテで公開されていた映画。時間が合わず見ていない。
原題が「the Poker House」。
ジェニファー姐さんとモレッツちゃんともう一人の3姉妹が住む家が街の人からポーカーハウスと呼ばれていて、それは、どうやら「娼館」のような意味らしい(母親が客をとったり、ポン引きが出入りしたりしている)。ちなみに、poker houseと言うのが「娼館」を表すというのは聞いたことが無いし、ググってもこの映画のことしか出てこないので、その街ではそう呼ばれている家位の意味と思われる(間違ってるかも)。
娼館でどうしようもない母親に育てられながらも、2人の妹の世話を健気にこなし、地元新聞の記者をしたり、バスケットボールに励んだりするジェニファー姐さん。彼女が朝起きてから、夕方妹たちを連れて逃げ出すまでのある1日を追いかける趣向。
ジェニファー扮するお姉ちゃんのセリフ、独白の端々に「悲惨な母親に育てられて、自分が本来いるべき場所にいることが出来ない、かわいそうな私」みたいな雰囲気がジワジワ漂っていて、まあ、悲惨なのは分かるんだけど、大変ですねぇ、と人ごとのようになってしまうのは優しさの欠如であろうなと反省。

2014/12/05(金)
17:30に仕事を切り上げる。
「国宝展」が今週で終わると言う事で、東京国立博物館へ行く。
18:30前に到着。
連日、大行列ができているらしいが、20:00の閉館間近ということもあり、行列はできていなかった。
ただ、それでも多く人が入っていた。
中々、面白かった。
1時間位で軽く一回りして、閉館30分前ほとんどガラガラになったところを見計らって、気になっていた展示を見る。
善財童子立像がとてつもなく素晴らしかった。あんなキラキラした目でどこを向いているのだろうか。手を合わせ、走りながら、斜め後方を見つめている人。きらきらした目で。見た瞬間に私は笑っていました。一目ぼれです。
土偶も良かった。地獄草紙のスペクタクル感とか来迎図、孔雀明王像なんかの掛け軸作品も良かった(教養のない言い方だな、、、)
帰り道、新宿で降りてシネマカリテに行き、「メビウス」の前売りを購入、日曜日の席を確保。

2014/12/06(土)
10:00「幸福の黄色いハンカチ」(1977年日本、山田洋二監督)@TOHOシネマズ六本木
高倉健が亡くなったからというわけでもないと思うが、午前10時の映画祭で上映をしていた。
この映画は見たことがなかった。
高倉健のやっている役がちょっと理解出来なかった。
あれは、なんなんだろ?
1977年はああいうのが良しとされていたのかしら。
家に帰ってふて寝したくなる。
ロードムービーとしては面白かった。

13:00「ランナーランナー」(2013年米、ブラット・ファーマン監督)
ディカプリオが製作に関わっているらしい。
リーマンショックで職を失った元ウォール街の金融マン、リッチー・ファースト(ジャスティン・ティンバーレイク)が、プリンストン大学の学費を捻出するため、なけなしの1万7千ドルをオンラインポーカーにつぎ込むも、全てすってしまう。
これは怪しいと感じたジャスティンはプリンストンの才能を集め、オンラインポーカーの不正を証明し、その証拠を持ってオンラインポーカーの元締めアイヴァン・ブロック(ベン・アフレック)の住むコスタリカに乗り込むのであった。
見込みがある奴だととか言ってベンはジャスティンを金で取り込み、ジャスティンはベン・アフレック率いる組織に取り込まれ、ギャンブルの世界に深入りして行く。
そこから話は、やっぱりね、という方向に進む。
ラストに向かって面白くなった(終盤、ジャスティンが買収を行っていた相手が、「何と!」という者で有ることが最後に明らかにされたり)。
気軽に見れて、そこそこ満足できるってことは、結構良い映画なんじゃないかと思う。

15:15「チェイス」(2013インド、ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督)@日比谷シャンテ
大傑作インド映画「きっとうまく行く」(2009年インド、ラージクマール・ヒラニ監督)のアーミル・カーンが主演(アミール・カーンというボクサーがいるがそれとは別人)。
日本で公開されるインド映画は面白いことが多いとはいえ、全てが面白いわけではない。
インド映画は往往にして長いため、それが面白く無い場合、地獄の苦しみを味わうことになる。
劇中「お前がパーカーを着るとラッパーみたいだな」みたいなセリフをアーミル・カーンが言われる場面があるんだけど、エミネムかよとちょっと笑う(アーミル・カーンの顔立ちはエミネムによく似ている)。

19:40「ファーゴ」(1996年米、ジョエル・コーエン監督)@TOHOシネマズ日本橋
コーエン兄弟の代表作。これを劇場で見るのは初めて。Blu-ray画像ということもあるのか、800円。
「ファーゴ」だ!と気合いが入り、720円するビールを片手に、10分前の開場と同時に入場すると、薄暗い場内には音楽も宣伝も流れていない。「あれ、ここでいいのかな?」と思いつつ、ほかの人も入ってくるしたぶんあってんだろう、と待つこと10分、電気が切れたように暗くなったと思ったらいきなりMGMのライオンが出て来て映画がスタート。
これは素晴らしい始まり方だと思う。
「ファーゴ」は何度見ても面白い。
登場人物が「ヤーァ、ヤーァ」言っていて(映画の舞台のアメリカ中西部の方言らしいです。「yeah」とか「yes」をドイツ語的に「ja」と発音するらしいです、ミネソタとかその辺の中西部にはスカンジナビア系の人たちが多く住んでいて、その人たちの方言らしい。ミネソタのアメフトチームはバイキングス)それが、結構悲惨な話をコミカルな感じにしている(日本でいうと群馬とかのきつい訛りの地域で描かれる悲惨な事件って感じ)。

2014/12/07(日)
10:50「メビウス」(2013年韓国、キム・ギドク監督)
日曜日の朝から見るにはキツい内容の映画。
「ペニスの旅」映画(キム・ギドク監督)という通り、性を巡る生々しくて痛々しい物語が全編セリフ無しで展開される。
エグいシーンが多くて、疲れる。
内容と合わせて、ズシンと腹に来る映画。
でも、良い作品です。90分に満たない上映時間、ずっと画面に釘付けになります。
(この映画の内容に関しては、ここで書くのが適切であるとも思えないので書きません。ある事件にまつわる話です。ただ、その事件は本当に冒頭10分もたたないうちに起こって、その後にとんでもない方向に話が進みます。)
たぶん、もう一回見に行く。
だいぶ疲れていて、家に帰ろうかと思ったが、今日はジョニー・トーの映画を見るんだ!と気合いを入れ、六本木に移動。
シネマート六本木に行き17:30からのジョニー・トー映画「ヒーロー・ネバー・ダイ」のチケットを購入。まだ見たことがないジョニー・トー映画ということでテンションが上がる。
上映開始までまだまだ時間があるので、こないだ行こうとして諦めた「チューリヒ美術館展」@東京国立新美術館へ。
前回よりは人が少なかったようだがそれでも日曜日の昼下がりと言う事もあってか、すごい混雑。
人に酔ってしまってまともに見ることが出来なかった。
当日券1600円を無駄にした気がする。
土日に美術館へ行くのは考えものだな。
ヴァロットンの絵が何枚かあって、そのうち「訪問」(1899)が良かった。
室内を描いたキャンバスの右半分にからだを寄せている男女が描かれている。男の右手に左手を取られた女の横顔が、正面を向きうつむき加減の男の口元によっている。キャンバス左側には半ばあいたドアがありその先に隣の部屋がかいま見えている。
なんだか不穏な雰囲気が絵から漂ってきて、目が離せなくなる。
その後、喫茶店に行ったり、六本木の街をYo-yoingする(目的もなくぶらぶらすること。出典はトマス・ピンチョン「V」。Yo-yoはヨーヨー。)。

17:40「ヒーロー・ネバー・ダイ」(1998年香港、ジョニー・トー監督)@シネマート六本木。
来た!
これは今まで見た中でもトップクラスのジョニー・トー映画。つまり、最高の映画。
対立する2大組織でそれぞれ若頭的な役をしている、チャウとジョンの友情もの。
序盤は2人の対比をこれでもかと言う程に見せて行く。
中盤それぞれチャウとジョンに率いられた集団がタイの宿で大銃撃戦を繰り広げ、2人が壁越しに撃ち合い、2人とも倒れる。
そこまでの展開はちょっと冗長で、あれ、と思っていると、そこからが凄い。
組織間の抗争はタイの将軍の仲介によって和解を迎えることになる。そうなると、激しい打ち合いで瀕死となりながらも生きのびている2人はそれぞれの組織、ボスには不要で邪魔なものでしかなくなる。
物語は、それぞれ忠誠を誓った組織のどうしようもないボスに裏切られ、どん底に落とされた二人による復讐譚になる。
ラスト、バーでの銃撃戦が素晴らしい。打ち合いをしたのち、言葉を交わすことも、会うことすらなかった2人のコラボレーションがジョニー・トー的とんでもなさと呼ぶしかないようなとんでもない形で実現し、とてつもないカタルシスが生まれる。
(最後の最後で山守組長がぶち殺される「仁義なき戦い」見たいな感じ)
ラストのシーケンスでは、涙が止まりません(もちろん、最終的に皆死にます)。

与謝野明子の生誕136周年らしいということをgoogleで知りました。
柔肌の熱き血潮に触れもみで悲しからずや道を説く君