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レイジィ大石君

2015/01/13~2015/01/25

2015/01/13(火)
18:15仕事上がり。
19:10「ベイマックス」(2014年米、ドン・ホール、クリス・ウィリアムス監督)@TOHOシネマズ六本木
アナ雪に続く、ディズニー、ピクサー映画。
サンフランソウキョウと言うサンフランシスコと東京を混ぜた未来都市が舞台。
天才少年ヒロ・ハマダは14歳にして人生にうみ飽きてしまっいて、違法なロボットバトルに励む毎日を暮らしている。
ヒロの兄タダシはそんな弟を心配して自らが通う大学にヒロを連れて行く。
そこには、エキセントリックな研究に励む奇妙な学生達がいる。
タダシの研究室に入ると、タダシはヒロの右腕にテープを貼り付け、ビビッと剥がす。「痛いっ!!」というヒロの悲鳴に反応するのがタダシの開発するケアロボット、ベイマックス。
ビニールに空気を入れたというボヨボヨしたなりのロボット、ベイマックスは、ヒロの身体を一瞬でスキャンし、「あなたに必要なのはホニャホニャの消毒です」「ホニャホニャだって!?残念!僕はアレルギーなのさ」「違います。あなたはピーナッツのアレルギーでホニャホニャのアレルギーではありません」とヒロの右手を消毒するベイマックス。
天才少年ヒロは案外簡単に感化され、「この大学に入る以外ない!」となる。
しかし、その学校に入るためには皆を驚愕させるような発明を行って教授を唸らせる必要がある。
次の日から、人が変わったように発明に励むヒロであったが、哀しいかな、天才少年の頭には何一つ思い浮かばない。
行き詰まっているヒロを見かねたタダシは、ヒロの足を抱えたまま逆さ吊りにして「詰まった時には視点を変えれば良い」と些か乱暴なアドバイスをする。
「そうか!」となったヒロはあるアイデアを思い付き、取り憑かれたように開発に励む。
ヒロが考え付いたのは、小指の先サイズのマイクロボットで頭につけるカチューシャ様のニューロトランス装置を使う事により、操作者の思う様動かすことができる。一つ一つは小さなマイクロボットだが大量に集めれば、自由自在、建物だってなんだって思うように作り出すことができる。
大学入学のためのコンペが開かれる会場でいつに無く緊張するヒロ。「君なら大丈夫だって」とヒロを落ち着かせるのは、タダシの研究室でエキセントリックな研究に励んでいた5人。
コンペにおいてヒロの発明は教授達の度肝を抜き、更には会場に居合わせた有名企業の偉いさんの目に止まり、技術の売却を求められる。
タダシやタダシの研究室の教授の助言もあり、その申し出を即座に断るヒロ。
大学への入学も無事決まり、タダシとヒロが喜んでいると、コンペ会場である事件が起きて、、、
という話が入りの部分で、ほとんど10分とか15分位の間に詰め込まれているという展開の早さ。
その後話はアレヨという間にアメコミっぽくなる。
なんと、これ「BIG HERO 6」というアメコミが原作の映画だったらしい(そのアメコミ自体はそれほど有名ではないらしい)。知らなかった。というか、予告編からはこういう展開になるとはとても思えない。
アメコミスーパーヒーローもの映画になり、「はぁー」となる。
見ていて正直、だんだんベイマックスが恐くなりました。
なんでだろ、なんつーか、押しつけがましい感じがして薄気味が悪い。優しいベイマックスの押しつけがましさが怖い。

2015/01/14(水)
18:45仕事上がり。
「お早よう」(1959年日本、小津安二郎監督)。DVD。
「お前は余計なことばっかり言って、ダメだ!ちょっとは黙っていろ!」と父親(笠智衆)に叱られた兄弟が「わかった。黙ってるよ。絶対しゃべらないからね」とだんまりを続けるという話。
兄弟が徹底的にだんまりをすることにより、近所との関係がぎくしゃくしていって、そこに、婦人会の会費が集められたは良いものの、会長のところへわたっていないといういざこざも加わって、ほのぼのとした雰囲気の中で結構シリアスな展開になる。
面白かった。

2015/01/15(木)
18:00仕事上がり。
19:00「アルファヴィル」(1965年フランス、イタリア、ジャン=リュック・ゴダール監督)@イメージフォーラム
α60という機械(人工知能?)が支配する、α都市(アルファヴィル)にα60の技師であるブラウン教授を暗殺するために送り込まれたスパイのレミー・コーションがブラウン教授の娘ナターシャを連れ、α60と対決する話っぽい。「っぽい」というのも、中盤近くになるまでなんだかよくわからない映像やらセリフやらが続いてストーリーが見えない。途中から何と無く話が見えてくる。
もう一回みればもうちょっと分かるかもしれない。
今月の下旬にゴダールの新作が公開されるらしい。

2015/01/16(金)
18:15仕事上がり
19:00「ジミーとジョルジュ」(2013年仏、アルノー・デプレシャン監督)@イメージフォーラム
第二次世界大戦で頭部に傷を負った状態でアメリカに帰国し、傷の後遺症と幼少期からの抑圧がブレンドされ、精神的に立ち直れない状態になったインディアン部族出身のジミー(ベニチオ・デル・トロ)が、収容先の病院でフランス出身の民族学研究の精神分析医(インディアンの精神分析見たいなことをしているらしい)ジョルジュ(マチュー・アマルリック)と出会い、1日1時間のセッションを繰り返すうちに、ジミーの過去が明らかとなり、母親であったり、姉であったり、近所のお姉さんであったりする強い女性への脅迫観念が判明していく。
大きな事件があるわけではなく、1日1時間のセッションを丁寧に描写していくことによって、ジミーが徐々に回復していく過程を描いている。
精神分析医をしているのは、こないだ見た「毛皮のヴィーナス」(2013年仏、ロマン・ポランスキー)に出ていたマチュー・アマルリック。最近結構よく見る。彼が気の良い、ちょっと変わり者の精神分析医を好演していた。

2015/01/17(土)
12:00「アゲイン 28年目の甲子園」(2014年日本、大森寿美男監督)
自分がなんでこんな映画を見ているのか、最初から最後までわからなかった。
勝手にすればいい。という感想しかない。
登場人物たちが、「甲子園」にあまりにもとらわれ過ぎているので、「甲子園」とは実は高校野球の大会のことではなくて、なんか哲学的な、神話的な、実存的な価値のある何かなんじゃないかなというゲシュタルト崩壊に近い感覚を味わえる1本。
14:00位に終わり。ひまわり荘に行くまで少し時間が余るので、他に1本くらい見ようかなと思ったが、時間が合わなかったので出光美術館「物語絵」展に行く。絵物語や屏風絵なんかが展示されていて面白かった。
17:30からひまわり荘にて寺西先生の誕生会。
途中で寝て、起きた後、また飲んで結局、朝6時くらいまで。
その後、実家に帰って、そのまま寝る。

2015/01/18(日)
15時くらいまで寝ていた。
だいぶ寝たので頭は大丈夫であったが、胃腸のだるさが酷い。
夜ごはんを食べて、三鷹へ帰宅。
両親は22日から沖縄へ旅行に行くらしい。

2015/01/19(月)
18:15仕事上がり。
19:15「自由が丘で」(2014年韓国、ホン・サンス監督)@シネマート新宿
加瀬亮演じるモリさんが、韓国で2年前に別れた女性クォンを探すという話。
モリさんがクォンに宛てた長い手紙が物語ベースとなっている。
クォンはその長い手紙を落として、順序がバラバラになってしまっていて、モリさんがクォンを求めて韓国に滞在していた時のエピソードがバラバラに展開される。
いろいろなエピソードが前後関係無くそれぞれ5分位の長さで語られ、さっきのエピソードの登場人物の会話の内容が3個位後のエピソードで分かる、という感じ。更に言うと、最後まであの話はなんだったんだみたいなエピソードも有る。
大変面白いなと。
モリさんがいつも吉田健一の「時間」という文庫本を持ち歩いていて、その内容をカフェ「自由が丘」の店員の女の子に語るシーンがあって、その内容がこの映画がこういう作りになっている一応の説明になっている(「時間というのは過去・現在・未来と一連の流れで続いているように見えて、実はそうではなくて、点在しているものなんだ」みたいな内容)。
時勢があっちこっち行くんだけど、それぞれのエピソードがなんだか心地よくて面白い。
この感じは、記憶をなくすほど酔っぱらった後で、酒席の出来事を思い出す感じに近い。
なんでそこだけ覚えているのかという誰かの話や、ふらふらになりながらトイレに行った時の感覚、会計の時の店員の感じとか、外に出たときのひんやりとした深夜の街の空気とか、そういうイメージが切れ切れに思い出されて、時間通りに整理することができないという感じ。(酒席の出来事を思い出すときにはたいてい後悔の苦みが伴うんだけど、この映画の場合はそうではないです)。
月曜日メンズデイで1100円。
上映後に宮沢章夫のトークショーがあった。この映画の話もそこそこに、演劇の話やら何やらいろんな話をして居てかなり面白かった。

2015/01/20(火)
18:45仕事上がり。
「おとなのけんか」(2011年フランス、ドイツ、ポーランド、ロマン・ポランスキー監督)。DVD。
ナンシー(ケイト・ウィンスレット)・アラン(クリストフ・ヴァルツ)のカウアン夫妻の息子が、ペネロペ(ジョディ・フォスター)・マイケル(ジョン・C・ライリー)のロングストリート夫妻の息子を木で殴り怪我をさせたことを発端として、カウアン夫妻がロングストリート家に行き話をする。
オープニングタイトル(公園で一人の男の子が木を振り回してもう一人の少年が怪我をする所を引いた映像で撮っている)とエンディングクレジット(オープニングと同じ公園で、けんかしていた二人が仲良く携帯ゲームかなんかをしている)以外は、ロングストリート家を一切出ず、カウアン夫妻とロングストリート夫妻の全然かみ合わないやり取りだけで映画が成立している。
弁護士をしているアランを演じたクリストフ・ヴァルツがめちゃくちゃ面白い。

2015/01/21(水)
18:15仕事上がり。
「秋刀魚の味」(1962年日本、小津安二郎)。DVD。
父親笠智衆とその友達2人が、娘の岩下志麻を嫁にやろうとする話。

2015/01/22(木)
18:15仕事上がり。
「惑星ソラリス」(1972年ソ連、アンドレイ・タルコフスキー監督)。DVD。
多分、1度学生のころに見ている。原作もその時に合わせて読んだ記憶がある。
改めて見ると、かなり面白かった。
「ストーカー」(1979年)でストーカーをやっていた人が出ていることに気がついた。アナトリー・ソロニーツィンというらしい。

2015/01/23(金)
17:30仕事上がり。
「パンク・シンドローム」(2012年フィンランド、ユッカ・カルッカイネン、J=P・パッシ監督)
フィンランドで言語障害や知的障害を抱えながらパンクバンドを組む4人を追ったドキュメンタリー。
確かにパンクな4人組だった。
大変面白かった。

2015/01/24(土)
10:00「恐怖の報酬」(1953年仏、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督)@TOHOシネマズ日本橋
南米の田舎町に流れ着いて、お金も職も無い若者や、アメリカから逃れて来たかつての大物の4人が、遠く離れた油田で発生した火災を収めるためのニトログリセリンを積んだトラック2台に載って火災現場まで行くという話。
舗装の無いガタガタ道や作りかけのまま放置された道路や大岩で塞がれた道を大量のニトログリセリンを荷台に積んだまま行く。
大物ぶっていたオッさんの化けの皮が剥がれたり、パイプから漏れ出した石油で池のようになった道を無理やり進んだり、スリリングな展開がこれでもかと続く。
こんな傑作があるとは全然知らなかった。

13:00「アニー」(2014年米、ウィル・グラック監督)
ミュージカル、アニーの映画化。
「ハッシュパピー」(2012年米、ベイ・ザイトリン監督)の少女、クベンジャネ・ウォレスがアニー役。
鬼のような里親(キャメロン・ディアス)に育てられながら、自分を捨てた両親との再会を待ち望むアニー(クベンジャネ・ウォレス)が、携帯電話会社の社長スタックス(ジェイミー・フォックス)と出会う。
スタックスの臨む次期市長選の選挙参謀は両親に見放されたアニーをスタックスの好感度を上げる絶好の材料とにらみ、スタックスに彼女を選挙までの数週間引き取るように進言する。
自分のことしか考えず、会社を大きくするためだけに市長選に出ようとしていたスタックスがアニーを引き取ることで変わっていくという話で、そうじゃないかなという路線を外れないので安心して見て居られる。
キャメロン・ディアスやジェイミー・フォックスがコメディ路線の演技をしていて楽しい。
ウィル・グラック監督はホーソーンの「緋文字」をモチーフにした現代アメリカコメディ「小悪魔はなぜモテる?!」(2010年)を監督した人。「スーパーバッド 童貞ウォーズ」のときにも話したかもしれないけど、「小悪魔はなぜモテる?!」はエマ・ストーンが出ている傑作映画なのです。エマ・ストーンと言えば、「Help」(2011年米、テイト・テイラー監督)というこれまた傑作映画にも出ていて、それも大変面白い。私は、はっきり言ってエマ・ストーンが好きです(いかん、「アニー」とは全然関係ないことを言い出している、、、)。
エンディングロールで突如、とってつけたように主題歌Tomorrowの平井堅バージョンが流れてきてかなりな違和感を覚える。
彼の歌声と今回の話の内容が全然あっていない。明るく楽しいTomorrowがしっとりとしたバラード調になっているのでなんだかなという感じ。別に平井堅が悪いわけではない。なんでこんなことをするんだろう?

16:30「ビッグアイズ」(2014年米、ティム・バートン監督)
マーガレット(エイミー・アダムス)が幼い娘のジェーンを連れて、強権的な夫の住む家から逃げ出してサンフランシスコに行く所から物語が始まる。ちなみに、彼女が出ていく町は「シザーハンズ」(1990年)の舞台の町にそっくり。
彼女は美術学校の出身で、娘のジェーンをモデルにした異常に目が大きいさみしげな少女の絵ばかりを書いている。
サンフランシスコで家具店に職を得たマーガレットが日曜日ジェーンを連れて公園に行き、そこで似顔絵描きをしていると、隣で風景画を売っていた男(クリストフ・ヴァルツ)に話かけられる。
この男ウォルターはパリの美術学校に留学していたことがあるらしく、不動産業を営む傍ら、パリの街並みを描いた印象派的な作品を作っているらしい。
マーガレットとウォルターは惹かれあい、結婚し夫婦となる。
ウォルターが口先だけで手に入れたジャズバーの壁に夫婦の絵を飾ると、マーガレットの絵が徐々に注目され始める。
客からマーガレットの絵について聞かれたウォルターは、つい自分がその絵の作者だと言ってしまう。
マーガレットの描く絵の魅力と、サイコパス的にべらべらとあることないこと喋り続けることができてしかも商才のある(絵画をポスターやポストカードにして安価で大量に売るという方法を考えついた人らしい)ウォルターの元で、マーガレットの描く「ビッグ・アイズ」はサンフランシスコを中心に一代センセーションを巻き起こしていく。
ウォルターが表舞台で注目を浴びる中、マーガレットは屋根裏部屋に閉じこもり、ひたすらに「ビッグ・アイズ」を描き続ける。という話。
これ、実際に1950年から1960年代のアメリカであった事件が元になっているらしい。
そういえば、マーガレットの描く絵をどこかで見たことがあるような気がしないでもない。こういう絵。(奈良美智の少女の絵の感じに近い。というかほとんど同じ)

20:30「ゴーンガール」(2014年米、デビット・フィンチャー監督)
先月見た映画。
その時はTOHOシネマズデイか何かで安かったので、前売り券を持っていたけど、お金を払って見ていた(もう一回見るだろうと思っていた)ので、前売りが余っていた。
最初に見た時、面白かったけど、もう一度見る気になかなかなれず、どうしようかなと思っていたが、そろそろ上映も終わるんじゃないかという危惧もあり、20:30の回を購入。
公開からしばらくたっている20:30の回でほとんど満席だった(ちなみに「アニー」はほぼ満席、「ビッグアイズ」は6割くらいの入り。「恐怖の報酬」も6割くらいの入り)。
2回目もめちゃくちゃ面白かった。
今回は話がわかった上で見たので、安心していろいろと見ることができた。
前回はニック目線で見ていたが、今回はエイミー目線で見てみると、エイミーの見せる表情が面白くてしょうがない。(前回の解釈はちょっと間違っていたんじゃないかと思うこともある。)
ちなみに、いろいろと話を聞くと、この映画の原作者で制作にもかかわっているジリアン・フリンという人は結構な映画マニアらしく、この作品はとくにヒッチコック映画が下敷きにあるらしい。ニックの相談役になっている双子の妹マーゴは「めまい」での主人公の女友達ミッジ(絵を描いてる女の子)がモデルになっているらしい。

2015/01/25(日)
連日寒くてちょっと体調崩し気味。8時に起きようとしたけど起きられず、10時過ぎまで寝る。
12:50「二重生活」(2012年中国、ロウ・イエ監督)@UPLINK
武漢を舞台にルー・ジエという美人の奥さんとアンアンという幼い娘とともにミドルクラスの生活を送りつつ、サン・チーという愛人との間にユイジンという男の子を設けて、それにも飽き足りず何人かの愛人を作っているとんでもない男チャオ。
ルー・ジエに近づき、チャオの浮気をそれとなく示唆する示すサン・チー。
それによって引き起こされる事件。
事件を追う警察。
などを絡めて、だんだん三者三様にじわじわと追い詰められていく姿を描いている。
とても面白い映画だった。
上映後、ロウ・イエ監督と雨宮まみというライターの人とのトークイベントあり。