9/22~9/28
2014/09/22(月)
17:30仕事上がり。
電車で渋谷へ。
富士そばでうどん。
19:15「郊遊<ピクニック>」(2013年台湾、ツァイ・ミャンリン監督)@イメージフォーラム。
去年のフィルメックスで見ている映画。
去年は何の情報も無く見たので、「何なんだこれは、、、!」となって話のスジもなかなかつかめなかった。
改めて、見直すと、ちょっとは話がわかったような気がしないでもない。
メインの登場人物は父、兄(12歳位)、妹(9歳位)の3名。
その他に、意味ありげな何人かの女が登場する。
順番に列挙すると、
1. オープニングに登場する女(兄妹が寝ている横でブラシで髪をといている)
2. デパートの店員のおばさん(あまりに小汚い格好をした妹を見兼ねてトイレで彼女の髪や身体を洗ってやる人
3. 3人が暮らしていると思われる廃墟に、夜中に懐中電灯を持って現れる女
4. 終盤、父親の誕生日祝いから始まるシーケンスでの母親
この4人が別の4人の人物なのか、それとも同じ人なのかが見ていてよくわからない。
去年見た時は、1と3と4が同一人物の様に思えて、3番は別れた子供を探し求めている母親なのかと思ったんだけど、今回、改めて見てみるとどうもそうでは無い。
同一人物は2と3のみ(野良犬にエサをやってるシーンをみると4とも同一かなとか思うんだけど、顔が違う)
1は髪の長さも雰囲気も他の女と違った。
ストーリーはこんな感じ。
父は道端でマンションの看板を持ってひたすら突っ立つという仕事をしており、2人の子供と共に廃墟に住んでいる。
父親が仕事をしている間、子供は学校にも行かず、辺りをプラプラしたり、デパートの食品売り場に入り浸ったりしている。
ある日、何かを思い立った父親が、夜中土砂降りのなか、子供2人を連れてどこかに旅立とうとしたそのとき、
3の女に見つかり、子ども2人を連れていかれてしまう。
ここから先、ラストの超絶長回しまで、わけの分からないシーンが続き、それによって、この映画全体の印象がぼやけていたのだが、
改めて見ると、何の事は無い、そこから先は夢の話。誕生日のシーンから、ラストの超絶長回し3カットのラストカット以外は夢の話でした。
ただ、まだわからないところは多くある。以下、疑問点。
彼らが住む廃墟はとは何か?
廃墟に住む野良犬の群れは何を表わしているか(この映画の原題(英題?)がStray Dogs)?
廃墟に描かれた巨大な壁画は何か?
父親が、仕事を放棄して忍び込むマンションは何か?
とにかく、長回しがすごい映画。
父親が看板を持って道路わきに立つシーン、立ち小便をするシーン、弁当を食べるシーン、壁画を見つめるシーンなどが
延々5分10分と続く。
ワンシーンワンシーンがすげぇ長いと感じるのに、観終わった後の感覚として、短い映画を見たような感じになる不思議な映画(今日見直すまで、90分くらいだと思っていた。実際は2時間半)。
2014/09/23(火)
10:20「フランキー&アリス」(2010年カナダ、ジェフリー・サックス監督)@ヒューマントラストシネマ有楽町。
こんなに、どストレートな多重人格ものは、映画にしろ小説にしろ、久しぶり。
ストレート過ぎて、途中目をつぶってセリフだけ聞いていても話が大体わかる。
ただ、目をつぶっていたので寝てしまった。
多重人格ものが苦手。
ハル・ベリーが多重人格の主人公をやっていて、その演技が高く評価されているらしいが、人格が変わる瞬間に思わず笑ってしまう、、、
反省しつつ徒歩で日本橋へ移動。
13:00「猿の惑星:新世紀(ライジング)」(2014年米、マット・リーブス監督)@TOHOシネマズ日本橋。
山のようにある「猿の惑星」シリーズの最新作。
今作は前作「猿の惑星:創世記」から直接続いている話。
「創世記」は面白かった。
今回は「クローバーフィールド」のマッド・リーブスが監督。
序盤、猿がヒューマニティを押し付けてくるので多少うんざりするが、ラストにかけてぐんぐん面白くなる。
ランボーかよというシーンもあり。
最終的にスッキリさせないのは、続編を前提にした作りだからだろう。
有楽町にもどる。
16:50「バツイチは恋の始まり」(2012年フランス、パスカル・ショメイユ監督)@ヒューマントラストシネマ有楽町。
不愉快。
フランス映画の悪い部分だけを濃縮加工したのかよという映画。
彼らが見知らぬ人をディナーに呼ぶのはその人物の無作法をよってたかって笑うためだし、
他人は自分が楽しむための道具、手段、あるいは自分の目的を遂げる際の障害物でしか無い。
「そんなわがまま放題な私をそれでもそのまま愛して受け入れてくれる人の方が10年近く一緒の彼よりいいの、だってこの人退屈だから、そう、私ブロンドなの、ステキでしょ」
とかなんとかかんとか、、、
お前が自分自身に対してどの位高い評価を与えてるのかは知らないけれど、
お前のそのままの姿を知って、そのクソみたいな魂胆を知ってそれでも君が好きだとかという奴はいないし、
そんな奴がいたらそいつは詐欺師だ(騙されて地獄に堕ちろ、バーカ)。
取り乱してしまった、、、
こないだ買った坂口恭平の新書を読んでいるが面白くない。「独立国家の作り方」はかなり面白かったのに。最後まで読み通せるかな、、、
2014/09/24(水)
18:15仕事上がり。
ラーメン屋に行ってから帰る。
20:00前に家に着く。
借りていた「MAD探偵」(2007年香港、ジョニー・トー、ワイ・カーファイ監督)を見る。
他人が何重にも分裂した人格に見えたり、内面の汚さが外面に反映されたり、いるはずのない人が見えたりするちょっと気のふれた元警察の話。
ぶっ飛び過ぎていて、訳が分からない。。。
この人が刑事時代に、引退する上司に対して、自分の耳をナイフでそぎ落とすところから映画が始まる。
なんじゃそりゃ、ゴッホかよ、、、と思っていると、やっぱりゴッホを意識しているという解説がDVDの特典映像についていた。
「ゴッホが刑事をやったら、彼独特の捜査方法になるんじゃないかと思ってね」
とかなんとか。
多重人格の描写がすごい。
7人の人格を持つコウ刑事を描くのに、実際に7人の役者を使って、しかも同時に登場させるという。
やっぱり、ジョニー・トー近辺にはただごとではない雰囲気が漂っている。
2014/09/25(木)
18:15仕事上がり。
シネマート新宿にて土曜日からのジョン・フォード特集の前売り2回券を購入(2400円)。
その後シネマカリテに行き、「荒野の千鳥足」と「スカム」の共通前売り2回券を購入(2600円)。
20:00頃帰宅。
借りていた「ロリータ」(1962年英、スタンリー・キューブリック監督)を見る。
つまらない。
これ、ナボコフ自身が脚本書いてて、キューブリックが撮っているのにな。
お金が全然無い事に気がついた。
今日から緊縮財政に入る。
2014/09/26(金)
17:30仕事上がり。
電車で渋谷へ。
19:00「ゴーストバスターズ」(1984年米、アイヴァン・ライトマン監督)
TSUTAYAにDVDを返しに来たついでに、何と無く見てしまった。ヒューマントラストシネマ渋谷、金曜日なので1000円。
TSUTAYAで「ぼんち」「濡れ髪牡丹」「鏡」を借りる。DVD旧作3枚、300円。
22:00頃帰宅。
録画していたアメフト、ブロンコス対シーホークスを見る。
2014/09/27(土)
9:50「ジャージー・ボーイズ」(2014年米、クリント・イーストウッド監督)。
最高!
1951年のニュー・ジャージー州から始まって、ロックの殿堂に入る1990年まで。
フォーシーズンズの結成から崩壊をへて再集結までを描く。
彼らの曲が各所でかかる。それがとても気持ち良い。
2時間を超える映画なのに、もっと見ていたいという気になる。
クリント・イーストウッドおじいちゃん(84歳)すごい。
(フォーシーズンズのボブ・ゴーディオが、タモリ倶楽部のオープニングテーマを作曲した人だとは、、、
あの曲、「who wears short shorts」という歌詞だったと始めて知った。)
初日の初回なのに8割程度の入り。
13:00「アバウト・タイム」(2013年英、リチャード・カーティス監督)
21歳の誕生日に自分が過去にだけタイムスリップ出来る能力者だと知らされた男の子が、タイムスリップしながら人生に出会って行く話。
設定はSFだけどそのような感じには撮っていない。
こういう、過去に戻るタイムスリップ物だと、「恋はデジャブ」とか「ミッション8ミニッツ」とかあるけど、話はだいたいニーチェの永劫回帰に落ち着く(ここら辺、町山智浩の受け売り)。
この映画の設定では自分の意思で過去に戻れるというところが他の作品と違う位で、他はあんまり変わらない。
ただ、自分でタイムスリップできるというところで話が変にややこしくなっている。
タイムスリップ出来る条件とか、タイムスリップによって未来が変わる条件とかがよく理解できない。
物語の都合に合わせて、これができなかったり、あれは大丈夫だったりするのか、という印象。
バスで渋谷へ移動。
17:00「盗まれた男」(2007年アルゼンチン、マティアス・ピニェイロ監督)@UPLINK
マティアス・ピニェイロというアルゼンチンの映画監督の特集上映のうちの1本。
○登場人物メモ
メルセデス(女の子)
セレスティーン(女の子)
クララ(女の子)
アンドレ(男の子)
レアンドロ(男の子)
メルセデスはレアンドロと付き合っていて、セレスティーンはアンドレの恋人。
クララの初恋の相手はレアンドロ。
セレスティーンはアンドレから心が離れつつあり、メルセデスはアンドレにちょっかいを出し、実はセレスティーンもレアンドロとなんかしていて、
レアンドロとセレスティーンが付き合うことになり、アンドレはセレスティーンに振られて、メルセデスとくっつくのかと思いきや、、、
こうして、落ち着いて考えれば、そうややこしい話ではない物語の筋を語っても、あんまり意味の無い映画。
というのも、この映画、かなり意図的にわかりづらく作られている。
セリフがある時に喋っている人を写さなかったり、
メルセデスが頻繁に本の朗読をして、読まれる本の内容が本編と関係あるような、ないような。
物語の本筋に関係のあるような、ないようなエピソードやブエノスアイレスの史跡のシーンが挿入されていたり。
ちょっと寝た。
18:45「みんな嘘つき」(2009年アルゼンチン、マティアス・ピニェイロ監督)
これは、話の筋が全く分からない。
全体として、この映画の中で何が起こったのか、一回見ただけじゃわからないし、もう一回みても多分わからない。
一軒家に集まった7人の若者達の姿を断片的に描いていて、しかもその断片も、時勢がバラバラだったりするので今見ているシーケンスがどのシーケンスと繋がっているのか判然としない(監督によると、それは意図的にそうしているらしい)。
分からなかったからつまらなかったかと言うと、そうでは無く結構面白かった。最後までお目目ぱっちり。
(1850年代アルゼンチンでの自由主義者(Sarumiento)と独裁者(Rosas)の対立が下敷きにあるらしい。彼らが、お互い現在に出会ったらどうなるかという)
○登場人物メモ
エレナ(女の子)
イバン(男の子)
モニカ(女の子)
イサベル(男の子)
チャス(男の子)
カミーロ(女の子)
もう一人女の子
JMR(男の子、7人が追い求める謎の人物)
20:00「ロザリンダ」(2010年アルゼンチン、マティアス・ピニェイロ監督)
キャンプ場のようなところで、シェークスピアの「お気に召すまま」の朗読(ホームページ見ると、劇団の練習という設定らしい)をしている若者たち。
前半は、ほとんど「お気に召すまま」のセリフを読むシーン。
後半は劇の存在が薄れ、彼らのそのままの姿が描かれている。
43分程度の短い映画。
上映後に監督によるティーチインあり。
監督は知的な感じのする青年。QAは英語で通訳の人がいたけど、分かりやすい英語をつかっていたので通訳無しでも充分意味が伝わった。
1982年生まれって年下か、、、
2014/09/28(日)
11:45「静かなる男」(1952年米、ジョン・フォード監督)@シネマート新宿
子供の頃に住んでいたアイルランドに戻ってきたアメリカ人の元ボクサー、ショーン・ソートン(ジョン・ウェイン)が隣家の兄妹の妹メアリー・ケイト・ダナハーを嫁にとる話。
かなり面白かった。
14:20「駅馬車」(1939年米、ジョン・フォード監督)
あんまりだった。
19:50からマティアス・ピニェイロ特集の最終に行く予定だったが、ひどく疲れているのでキャンセルして家に帰る。
帰りの電車のなかでアゴタ・クリストフ「悪童日記」を読み終わる。
とても良かった。
戦争中に祖母に預けられる双子の兄弟の話。
作中、人物名が一つも出てこない。
ふたりは「ふたり」とか「ぼくらのうち一人」「もう一人」、祖母は「おばあちゃん」、
祖母の家にいる将校は「将校」、隣の家の女の子は「兎っ子」。
来週の土曜日10月4日から新宿武蔵野館で「レッド・ファミリー」が公開になります。
去年の東京国際映画祭で一番面白かった映画(最後はもう涙が止まらないです)。
これはホントにお勧めなのでぜひ。