2014/11/17~2014/11/24
2014/11/17(月)
18:45仕事上がり。
「キング・オブ・コメディ」(1982年米、マーティン・スコセッシ監督)。DVD。
コメディアンのジェリー・ラングフォードに病的に憧れる勘違い男、ルパード・パプキン34歳をロバート・デニーロが演じている。
ジェリーの出待ちをしたり、彼を付け回したりしているマーシャも加わって、直視し難いヤバさを発揮している。
34歳にして母親と暮らしていて、夜中に自分がジェリー・ラングフォードショーに出演する妄想を爆発させて騒いで母親に「うるさい!」とか怒鳴られるというダメっぷり。
Roger Ebertという人が公開当時に書いたレビューが面白かった(http://www.rogerebert.com/reviews/the-king-of-comedy-1983)。
2014/11/18(火)
18:15仕事上がり。
何もせずわ家に帰る。
「モンスター上司」(2011年米、セス・ゴードン監督)。DVD。
それぞれ別の職場でとんでもない上司からの嫌がらせに耐えている3人の男が復讐を企てる話。
嫌がらせをする上司役の1人のケビン・スペイシーが本当にイヤーな奴を演じていてすごい。
ジェイミー・フォックスも出ていた。
2014/11/19(水)
18:30仕事上がり。
家に帰る。
「スーパーバッド 童貞ウォーズ」(2007年米、グレッグ・モットーラ監督)
ジャド・アパトー制作。
脚本がセス・ローゲンとエヴァン・ゴールドバーグ。
主人公の少年2人の名前がセスとエヴァン。
セス役が「マネーボール」とか「ウルフ・オブ・ウォールストリート」に出ていたジョナ・ヒル。この頃はまだ若い。
セスが惚れている女の子役がエマ・ストーンという人で何処かで見たことがあるなと思っていたら「easy a」とか「ヘルプ」に出ていた女の子だった。
すっとぼけた警官コンビ(セス・ローゲンとビル・ヘイダー)がめちゃくちゃやっていて最高。
2014/11/20(木)
18:15仕事上がり。
「俺たちニュースキャスター」の続編をDVDで。2013年米、アダム・マッケイ監督。
ウィル・フェレル主演のコメディの続編。
面白かったが、このところアメリカコメディばかり見ているのでちょっと食傷気味。
2014/11/21(金)
17:30仕事上がり。
新宿ミラノ座「ザ・レイド祭」へ。
18:30「ザ・レイド」(2011年インドネシア、ギャレス・エヴァレット監督)
やっぱ、マッド・ドックが最高だなと再確認。
首に蛍光灯を刺されたまま、あんだけ戦える人はいない。
20:30頃から映画監督の松江哲明と武田梨奈というアクション女優のトークあり。
武田梨奈可愛い。
20:50「ザ・レイド2」(2013年インドネシア、ギャレス・エヴァンス監督)
前回は、一つのビルの中という限定された空間で大暴れするという話だったが、今回は場所を大幅に広げて、刑務所やら町中やらレストランやら電車の中やら所構わず大乱闘している。
ストーリーも前回のあってないみたいなものから、今回は潜入捜査とかヤクザの縄張り争いとか、色々入れてきている。 ただ、詰め込みすぎでちょっと話について行けないところもある。
主役イコ・ウワイスの体のキレは健在。途中で出てくる、両手にハンマーを握って振り回す女の子と金属バットをやたらと振り回す男の子のコンビが最高だった。
(ちなみに、邦題の副題にGOKUDOとついていて、宣伝では遠藤憲一、松田龍平、北村龍平をやたらと押していたけど、彼らはおまけみたいな感じで出ていただけでアクションシーンは一つもない。)
ディレクターズカット版だからか、上映時間2時間半以上だったが、所々で超絶アクションとかムダにエグいシーンとか出てくるので全然飽きない。
前作と作風は結構変わっていたけど、やり過ぎアクションというコアの部分が全く変わっていないのが良いなあと。
2014/11/22(土)
9:25「西遊記 始まりの始まり」(2013年中国、チャウ・シンチー監督)
下町コメディ映画祭でやっていて、チケットもとっていたのに、他の映画と重なってしまってキャンセルした映画。
西遊記の玄奘を主人公(妖怪ハンターという設定)として、彼が孫悟空を仲間にするまでの映画。
玄奘がヘナチョコキャラだったり猪八戒がツルツルの美男子(仮面だけど)だったり、知っている西遊記とはちょっと違った切り口だった。
玄奘に惚れるヒロインに見覚えがあるなと思ったら、「トランスポーター」(2002年フランス、アメリカ、ルイ・レテリエ、コリー・ユン監督)に出ていたスー・チーというかなり有名な女優だった。この人、10年前と全然変わっていない気がする。
テンション高くギャグを繰り出す展開に少しついて行けなかった。
公開初日にして、ガラガラだった。。。
14:25「日々ロック」(2014年日本、入江悠監督)
傑作映画、「サイタマノラッパー」3部作の入江監督作品ということで期待大だが、うーん、うるさい映画だった。
こちらも公開初日にして西遊記よりも人が入っていない。
二階堂ふみが出ている。
彼女が出ていた映画では「ほとりの朔子」(2013年日本、アメリカ、深田晃司監督)が抜群に良かったなぁと、今年の始めに観た映画を思い出す。
16:20「インターステラー」(2014年米、クリストファー・ノーラン監督)
近未来(と言うか、パラレルワールド?)、砂嵐に襲われて滅亡の危機に瀕している地球を救うため、元宇宙飛行士の農場経営者、マシュー・マコノヒーが移住可能な惑星を探す宇宙探検に出る話。
マコちゃんが宇宙に出るまでと出てからの序盤、クリストファー・ノーランらしい沈鬱な展開が続いて、これがあと2時間半以上続くのかと思うと、ちょっとうんざり。
ただ、地球との交信が途絶えて以降の展開が全く読めなくて、この話どうすんだろうかという興味で俄然面白くなる。
最終的にものすごいまとめ方をしていて殆ど意味不明なんだけどなんだか凄いなという感じ。行き切っていた。
「どうだ!どーん!!!」というよくわからない自信に溢れていて、何と無く納得してしまうのだった。
ストーリー全体としては勿論、「2001年宇宙の旅」が下敷きにあるのだろうけど、そっちとはまた違う方向に進んでいた。
クリストファー・ノーランの映画で初めて面白いと思った。
最初の方、ちょっと寝てしまったのでもう一回見ようかな。
途中で出てきたマット・デイモンのキャラも最高。
こっちは満席だった。
2014/11/23(日)
10:20「彼女のそばで」(2014年イスラエル、アサフ・コルマン監督)@フィルメックス(有楽町朝日ホール)
非常に良かった。
イスラエルのハイファで学校の警備員(?)をするヘリと、知的障害を抱える妹ガブリエルの生活を丁寧に描いていた。
ガブリエルを世話するヘリもまた、深くガブリエルに依存していてという作り。
ヘリが代用教師をしている恋人ゾハールと彼の母親と3人で食事をしている時、寛大でニコニコしているゾハールの母親が、ゾハールと彼女が一緒に暮らすつもりだと聞いた時に、一瞬止まってガブリエルの障害が先天性のものなのかを尋ねるシーンとか凄いなと。
そのシーンだけで決して悪い人では無い、むしろ良い人である(あろうとする)母親の性格と彼女の手で育てられた彼ゾハールの性格まで納得させ、しかもヘリが普段、常に直面しているのであろう周囲との微妙な軋轢、温度差を表現している。
上映後、監督によるQAあり。
以下、監督の話で印象に残ったもの。
知的障害を持った妹ガブリエルを演じたのは、ダナ・イヴキという人で、この人は健常者で、イスラエルでは有名な役者である。(本当に障害を持った人を使っているのかと思っていたので少しビックリ。)
主役のヘリを演じた人(監督の妻らしい)の妹が実際に知的障害者で、その体験がベースになっている。
イスラエルでは、障害者に対する福祉は充実しているので、姉はガブリエルを施設(劇中ではデイケアの施設にガブリエルを預けるくだりがあるので、ここで言う施設はおそらく全日制の施設と思われる)に預けようと思えば簡単にあまり負担がかからずにそうすることができるが、ヘリは意図的にそうしていないという設定になっている。
天気がよかったので、日比谷公園に行って本でも読もうかとしたら、何かイベントをやっているらしく、アイドル系の歌がずっと流れていて参る。
うるさいので有楽町まで移動すると、こっちも駅前でイベントをやっていて、フォークソングを大音量で歌っている。
大音量と人が大勢いるのとで少し胸が悪くなる。
14:30「オオカミは嘘をつく」(2013年イスラエル、アハロン・キャセレス、ナボット・パプシャド監督)@ヒューマントラストシネマ有楽町
気が狂ってる。どうかしている映画。
小学生の女の子が行方不明となり、やがて首なしの遺体で発見される。
怒り狂った父親が、容疑者とされている(目撃証言があっただけ)教師を地下室に監禁して娘の頭を見つけ出すため教師を拷問にかけるという話。
「拷問が始まるかな」と思うと気の抜けるような携帯の着信音がなって「なんだよ、ママ、今取り込み中なんだ、後にしてくれよ」とかやり出したり、「ちょっと休憩だ」とか言ってキッチンでケーキを焼き始めたり(しかも、ケーキを作っている時のBGMがバディ・ホリーのevery day!http://youtu.be/ty31QY5ZGHo)、拷問者の父親が突然訪ねて来て、拷問現場を見られ、止められるのかと思ったら「手伝おう!それで、火はやったのか?なに、やっていないだと。お前は軍隊で何を教わって来たんだ?動物と一緒で人間が一番恐れるのは火だろうが!!」とか言い出したりして、なんなんだと油断してるとどきつい拷問描写があったり、本当どうかしている。
まぁ、笑っちゃわない事には見ていられない映画。
図らずもイスラエル映画を2本続けて見たが、振り幅が大きくて目眩がしそうになる。
17:50「さよなら歌舞伎町」(2014年日本、廣木隆一監督)@フィルメックス(有楽町朝日ホール)
元AKBの前田敦子と染谷将太主演。
ちょっと、これは、酷かった。
歌舞伎町にあるラブホテルを舞台に5つ位のストーリーを並列で語る群像劇の構造になっているが、一つ一つの物語がいちいち陳腐で何処かで聞いたような話ばかり。
出てくるキャラが皆、滔々と身の上話を語り、それをさも興味深げに周りが聞くというシーンが続いて、うんざりする。それは、セリフで全部説明しなくちゃだめなのか。あるキャラが自分について語れば語るほど、そのキャラが馬鹿に見えて仕方なくなる。
2014/11/24(月)
10:10「扉の少女」(2014年韓国、チョン・ジュリ監督)
町山智浩氏によると、アメリカ映画には「悪魔の生贄」などに代表される、都会に住む若者が軽い気持ちで南部に遊び行ったら、未開人みたいな現地の人々に散々な目に合わされるという話を描く「南部ゴシック」と呼ばれるジャンルがあるらしい(元は小説のジャンルでフォークナーの「サンクチュアリ」辺りにそのルーツがあるらしい)。
韓国映画にも同じようなジャンルがあなということをうすうす感じていた(こないだ見た「野良犬たち」なんかは典型的)が、この映画もそのうちの1本といえる。
ソウルで問題を起こし、田舎にある港町に飛ばされたペ・ドゥナ演じるキャリア警察官(役名を失念した)が現地でひどい目にあうという韓国版南部ゴシックのベースに乗せて、継父とその母親からひどい虐待を受けている少女と彼女を守ろうとするぺ・ドゥナとの心の触れ合いがメインテーマとして語られている。
物語途中でそれとなく明かされるぺ・ドゥナがソウルから飛ばされた理由も合わせて、彼女が抜き差しならない状況に追い詰められる。
追い詰められながら、気丈にふるまうペ・ドゥナのまなざしが印象的。
14:50「生きる」(2014年韓国、パク・ジョンボム監督)
傑作だった。
韓国の田舎町で建設作業員として働くジョンチョル。
彼を慕っていつも彼の後ろにいる、知恵遅れ気味のところがあるミョンフン。
ジョンチョルの姉で精神がおかしくなってしまい家出を繰り返すソヨン。
ソヨンの娘のハナ。
ジョンチョルの勤める建設現場からジョンチョルの兄貴分が作業員の給料を持って逃げてしまったらしいところから話が始まる。
建設現場で給料の未払から乱闘騒ぎが起こり、ジョンチョルはクビになる。
ジョンチョルとミョンフンはソヨンが勤めている味噌玉の製造工場に職を得るが、味噌の発酵過程のミスで全ての味噌がダメになってしまう。頭のおかしくなっているソヨンに責任がなすりつけられ、弟のジョンチョルが補償することになり、、、
と、ジョンチョルがどんどん追い詰められていくというあんまり救いの無い話が3時間近く続いて、見ていて辛くなってくるのであるが、最終的に何も解決していないラストが救いになるという映画。
静かで重苦しい展開が3時間近く続くので結構疲れた。